屋根付き駐車場としてカーポートを設置！費用・設備の違い・注意点を解説

自宅のリフォームやリノベーションでは、建物部分の造りを変更するだけでなく、敷地内に屋根付き駐車場を設置できるケースがあります。
工事のプランに悔いが残らないよう、屋根付き駐車場に関するポイントは事前に確認しておきましょう。
今回は、屋根付き駐車場としてカーポートを設置するときの費用にくわえ、ガレージとの違いと注意点も解説します。

カーポート（屋根付き駐車場）の設置費用

カーポートは簡易的な屋根付き駐車場であり、設置費用を抑えられるイメージがあるかもしれません。
しかし、カーポートと一口にいってもさまざまなものがあり、条件によっては費用がかさむため、注意が必要です。

カーポートの設置費用

カーポートの設置費用がいくらかは、いくつかの条件で決まります。
費用に影響する主なポイントは、柱の本数や屋根の素材、スペースの広さなどです。
柱を複数使用したり、設置時に複雑な工事が必要だったりすると、費用が高くなる傾向にあります。
金額の目安は、ポリカーボネート板の屋根を使った1台用のカーポートなら、約4万円～6万円です。
車を2台停められるものだと柱が増えやすいため、目安額が約6万円～10万円と高くなります。
さらに、3台用ではスペースがより広くなる関係で、設置費用の目安は約11万円～14万円となります。
カーポートの造りによって設置費用は異なる点から、現在考えている条件に応じて金額を想定しましょう。
なお、カーポートの設置時には、本体価格のほかに工事費用がかかります。
工事費用は、基本的に本体価格に含まれているため、過度に気にする必要はありません。
しかし、価格の表示形式はメーカーや販売店などによって異なる可能性があり、工事費用が含まれているかどうかは、事前に確認したほうが安心です。

カーポートの性能

カーポートには、耐風タイプや耐雪タイプなど、特殊な性能を備えた種類がいくつか見られます。
耐風タイプは強風に強く、台風が来やすい地域や沿岸などに向いています。
耐雪タイプは、雪が積もっても支柱が折れにくい種類で、豪雪地帯におすすめです。
自宅のある地域の環境によっては、特殊な性能付きのカーポートを選んだほうが安心です。
しかし、設置費用は通常より高くなるため、注意しましょう。

▼この記事も読まれています
中古物件でおこなうフルリノベーションとは？メリットと費用も解説！

カーポートとガレージの違い

自宅に設置できる屋根付き駐車場は、カーポートだけではありません。
ガレージも主な候補のひとつですが、特徴はカーポートと異なります。
希望に合う屋根付き駐車場となるよう、それぞれの違いは事前に確認しておくことをおすすめします。

主な違い

カーポートとガレージの主な違いは、駐車場に壁があるかどうかです。
カーポートの屋根は柱で支えており、周囲に壁はありません。
屋根によって雨や雪はいくらか防げますが、横からはいくらか吹き込む可能性があります。
一方のガレージは、屋根があるだけでなく、周囲に壁も設けられます。
停めている車がカーポートよりもしっかり囲われ、雨風から守られやすいのがメリットです。
さらに、基本的な構造の違いから、ガレージにはほかにも独自の特徴が見られます。

ガレージならではの特徴

ガレージならではの特徴は、まず正面に扉を設けられることです。
ガレージの扉には、伸縮式や跳ね上げ式などいくつかの種類がありますが、いずれにしても扉を閉めると駐車場の四方を囲えます。
そのため、どの方向から雨風が吹き付けても、車が汚れません。
また、紫外線が直接当たったり、不審者に車を触られたりする心配もなく、安心です。
さらに、内部に収納設備や電源、水道などを設ければ、ガレージを作業場としても使えます。
設備の用途が駐車場だけに限られないのは、カーポートとの違いのひとつです。

ガレージのデメリット

周囲に壁のあるガレージは、カーポートより優れた一面がありますが、独自のデメリットもいくつか挙げられます。
まずは、設置に費用がかかりやすく、いちから建築するケースだと約100万円が目安になることです。
デザイン性や素材などにこだわると、目安費用はさらに高くなります。
できるだけ費用を抑えたいなら、個別に建築するのではなく、現地でパーツを組み立てるだけの既製品にするのがおすすめです。
このほか、設置に建築確認申請が必要になったり、完成後に固定資産税がかかったりしやすいことも、気を付けたい違いです。
それぞれの違いを含めて、どちらの屋根付き駐車場が良いかを検討しましょう。

▼この記事も読まれています
マンションリフォームにおけるポイントを教えて！範囲・準備・注意点を解説

カーポート（屋根付き駐車場）設置の注意点

カーポートはガレージに比べて簡易的な造りになっていますが、実際に設置するときは知っておきたい注意点がいくつかあります。
カーポートの設置に後悔しないよう、以下の注意点は事前に確認しましょう。

注意点①隣家への配慮

カーポートを設置するときは、隣家への配慮が必要です。
主な注意点は、カーポートの屋根から隣家の敷地に何かが落ちないかどうかです。
雨水は雨どいで排水されるため、隣家の敷地に流れる心配は少ないといえます。
一方、屋根に積もった雪は、雨水のようにうまく流れるとは限りません。
隣家の敷地にいつも滑り落ちるようだと、隣人から苦情を受けるおそれがあります。
カーポートの設置前に完成後の様子はしっかりイメージし、何らかの形で隣家に迷惑をかけないかを注意しておきましょう。

注意点②道路との境界線の位置

カーポートを設置するとき、屋根が道路との境界線を越えないように設計する必要があります。
道路との境界線は地表部分だけでなく、空中においても変わらず適用されるものです。
カーポートの屋根が大きく、道路との境界線を越えていると、たとえ問題の箇所が空中でも法令違反とされます。
また、道路にせり出した屋根は、走行中の車や積載物などと接触するおそれがあり、危険です。
実際に接触事故が起きると、被害者から損害賠償を請求されかねません。
道路との境界線を越えるとさまざまなリスクが生じるため、カーポートの屋根は原則として自分の敷地内に収めましょう。

注意点③設置の申請

先述のとおり、屋根付き駐車場にガレージを選ぶと、建築確認申請が必要になりがちです。
しかし、自宅のある地域の都市計画や防火地域の規定などによっては、カーポートでも同じく申請を求められます。
カーポートなら申請なしで自由に設置できるとは限らないため、関連する規定に精通している施工会社などまで事前に相談しましょう。
なお、建築確認申請には専門知識が必要であり、業者を通じて手続きをおこなうのが一般的です。
建築確認申請が可能な施工会社を選んでいると、手続きが必要になったときに対応がスムーズです。

注意点④素材の制限

自宅のあるエリアが防火地域だと、カーポートの素材を制限されることがあります。
防火地域に指定されやすいのは、住宅密集地など建物同士が近くて、火災の被害が拡大しやすいエリアです。
防火地域では火災時のリスクが高いため、耐火性の低い素材は使用を認められない傾向にあります。
自宅が防火地域にあることが判明したら、カーポートにどのような素材を使えるのか、注意して確認しましょう。

▼この記事も読まれています
オール電化へのリフォームに必要な設備とは？電気代の変化もご紹介

まとめ

カーポートの設置費用は、1台用なら約4万円～6万円などと目安がありますが、実際の金額は柱の本数や設備の機能などで変わる仕組みです。
ガレージとの主な違いは駐車場を囲えるかどうかで、ガレージは屋根のほかに壁や扉が設けられますが、カーポートには柱と屋根しかありません。
カーポートの注意点には、隣家に迷惑をかけないように配慮する、屋根は敷地内に収める、建築確認申請の必要性を確認するなどが挙げられます。