購入した不動産にかかる固定資産税とは?購入時と購入後の納付を解説

購入した不動産にかかる固定資産税とは?購入時と購入後の納付を解説

不動産を購入する場合、売買契約から引き渡しまでのあいだに複数の税金を納めることになります。
購入した不動産には固定資産税がかかりますが、具体的な内容や納付タイミングについてご存じない方がいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、固定資産税とはどのようなものなのか、不動産購入時に納付する固定資産税と、不動産購入後に納付する固定資産税について解説します。

購入した不動産にかかる固定資産税とは

購入した不動産にかかる固定資産税とは

固定資産税と耳にしたことがあっても、初めて不動産を購入する方にとっては、これまで縁のない税金です。
不動産購入前には、固定資産税とはどのようなものか、具体的な内容をチェックしてみましょう。

固定資産税とは

固定資産税とは、固定資産に対して課せられる税金で、納付するのは固定資産の所有者です。
固定資産税がかかる固定資産の代表的なものが、土地や家屋といった不動産です。
また、事業用のパソコン・航空機・船舶といった償却資産についても、固定資産税の対象になります。
償却資産とは時間とともに価値が減少する資産を指しますが、自動車は自動車税の対象となることから固定資産税の対象ではありません。

不動産購入で固定資産税を考えることが大切な理由

不動産購入時に固定資産税を考えることが大切なのは、不動産購入後に継続してかかり続ける税金であるだけでなく、不動産購入時に支払う可能性があるためです。
固定資産税は不動産の所有者に対して課せられる税金ですが、正確にはその年の元日時点で登記簿上の所有者に納付義務があります。
ここで1つ目のポイントとなるのが、不動産を所有し続ける限り毎年固定資産税の納付が必要であることです。
固定資産税は不動産の価値に応じて金額が決まりますので、高額な不動産を購入した場合は毎年高額な固定資産税を支払い続けることになります。
また、元日以降に不動産を購入した場合、前の所有者とのあいだで固定資産税を分割して納めることが2つ目のポイントです。
元日時点で不動産を所有していた方には1年分の固定資産税納付通知書が届きますが、2月に不動産を売却した場合には住んでいないにもかかわらず固定資産税を納める義務が発生します。
こうした不公平さを解消するために一般的にとられているのが、引き渡し日を基準とした固定資産税の日割り計算です。

固定資産税の軽減措置

一定の条件を満たす場合、固定資産税の軽減措置が受けられます。
土地や新築住宅に対する特例が適用されれば、固定資産税が一定割合減額されます。
また、耐震性能向上を目的とした改修工事をおこなった場合には、耐震改修促進税制として固定資産税が減額されますが、一定の工事費がかかったことなどが条件です。
このほかに、バリアフリー改修促進税制などが、固定資産税の軽減につながる制度です。

不動産購入時にかかる固定資産税はいくら?

不動産購入時にかかる固定資産税はいくら?

固定資産税は1年分まとめて不動産所有者に請求され、年の途中で所有者が変更されたとしても納税義務者が途中で変更されることはありません。
そのため、実際の所有状況に合わせて、固定資産税の清算をおこなうことになります。

基本的な固定資産税の計算方法

固定資産税の基本的な計算式は、固定資産税評価額×1.4%です。
この計算式のなかの固定資産税評価額とは、自治体が課税のために調査した不動産の価値を指します。
また、1.4%が固定資産税の税率で、土地・住宅それぞれにわけて算出されます。
実際に固定資産税がいくらになるかは、元日時点の所有者に送られてくる固定資産税納税通知書で確認可能です。
不動産購入前におおよそいくらかを把握するには、概算で計算するのがおすすめです。
土地にかかる固定資産税評価額は、時価の70%ほどが目安となります。
一方で、家屋については新築ならば購入価格の50~60%ほどが固定資産税評価額の目安です。

前の所有者と清算する場合の計算方法

不動産を購入した場合、実際に誰が不動産を所有しているかに応じて、前の所有者とのあいだで固定資産税を分割するのが一般的です。
具体的な計算では、所有期間が1年の何割であるかを確認し、税額を所有期間の割合に応じて分割します。
この所有期間の分割においては、起算日をいつにするかがポイントです。
関東では起算日を元日とする一方で、関西では年度初めの4月1日を起算日とするのが一般的です。
ただし、いつを起算日にするかについては、前の所有者との話し合いによって決める必要があります。
また、起算日により税額が異なることには注意が必要です。
起算日が定まったら、起算日から不動産引き渡しまでは前の所有者が納付し、それ以降は不動産を購入した方が納付します。

前の所有者と清算しなくてはいけない?

固定資産税を前の所有者と日割りで清算することは、法律で定められたルールではありません。
したがって、前の所有者とのあいだで固定資産税の清算をおこなわないことがあります。
不動産売買契約に進む前には、不動産会社の担当者へ固定資産税の清算について確認するのがおすすめです。
日割り計算が複雑な場合には、固定資産税を前の所有者と清算せず、不動産代金の受け渡しのみで済ませることが可能です。
ただし、固定資産税の清算をおこなわない場合は負担が偏ってしまうため、前の所有者とのあいだにおけるトラブルには注意しましょう。

不動産購入後に固定資産税はいつ納付する?

不動産購入後に固定資産税はいつ納付する?

不動産の購入時だけでなく、不動産購入後に納付する固定資産税について、具体的なタイミングを見てみましょう。

固定資産税の納付スケジュール

固定資産税は、4期にわけて納めるほか、1年分を一括で納めることが可能です。
4期にわけて納める場合には、送られてくる納税通知書に記載された納付期限までに手続きを完了させます。
具体的な納付期限は自治体により差がありますが、一般的な納付期限は、6月・9月・12月・翌年2月となります。
また、1年分を一括で納めるならば、第1期の納付期限までに全額を納付しなければなりません。
一括納付を選択する場合、第4期の納付期限ではないことに注意が必要です。

納付期限に間に合わなかった場合

定められた納付期限までに固定資産税を納められなかった場合、地方税法に則って延滞金が発生します。
納付期限までに納税できなかっただけでなく、督促・催告を無視し続けると、不動産など財産の差し押さえがおこなわれる可能性に注意しましょう。
不動産購入直後で固定資産税の納付が難しい場合などは、あらかじめ自治体に相談するのがおすすめです。

固定資産税の納付方法

固定資産税の納付手続きを進めるのは、毎年4~6月に固定資産税の納税通知書が届いてからです。
納税通知書が届いたら、まずは納付期限を確認し、分割納付か一括納付かを決めます。
固定資産税の納税通知書には振込用紙が同封されていますので、銀行・郵便局などで振り込みましょう。
また、自治体の担当窓口に振込用紙を持参すれば、その場で現金による納付が可能です。
コンビニエンスストア・クレジットカード・電子マネーなどで固定資産税の納付ができる場合がありますが、自治体によって納付方法に差があります。
万が一、固定資産税の納税通知書を紛失した場合、再発行はできません。
ただし、実際の納付に必要な振込用紙については、自治体の担当部署で再発行が可能です。
振込用紙を紛失した場合でも、納付を放置するのではなく、振込用紙の再発行を進めましょう。

まとめ

固定資産税とは、土地・家屋といった不動産などを所有している場合に課せられる税金です。
不動産の購入時には前の所有者とのあいだで固定資産税を分割しますが、いくらかかるかについては不動産の価値や起算日によって異なります。
不動産購入後には自治体から納税通知書が送られてきますので、4期にわけて納付するか一括納付するかを考えてみてください。