愛知県常滑市の特徴とは?転居前に知っておきたい特色豊かな産業をご紹介!

愛知県常滑市の特徴とは?転居前に知っておきたい特色豊かな産業をご紹介!

転居先を探す際は候補の地域の特徴を知っていると、そこでの生活を具体的にイメージできます。
とくに、日々の生活や仕事につながる産業を把握すると、その地域に関する理解が深まるでしょう。
そこで今回は愛知県常滑市の産業について、「農業・水産業」「工業・産業」「商業・サービス業」に分けてご紹介します。
愛知県常滑市への引っ越しをお考えの方は、ぜひご参考にしてください。

愛知県常滑市の産業を知ろう①農業・水産業について

愛知県常滑市の産業を知ろう①農業・水産業について

常滑市は、愛知県の南西部にある知多半島の西側に位置する市です。
東西は6km、南北は15kmと細長い形が特徴で、人口は2022年時点で5万7,900人ほどです。
2005年には沿岸部の埋め立て地に中部国際空港(セントレア)が開港し、空の玄関口として発展を続けています。
常滑市の歴史は古く、縄文時代中期には集落が形成されていました。
そして、平安時代末期に窯業が始まり、甕や壺などの生産が活発になりました。
常滑市の周辺は、なめらかな粘土層の露出が多いことから「とこなめ」と呼ばれており、それが地名として定着したといわれています。
現在も工業・産業では窯業が有名で、常滑焼は日本遺産に認定された日本六古窯の1つです。
また、それ以外にも農業・水産業や商業・サービス業など、さまざまな地場産業が盛んな活気ある地域です。
まず、農業・水産業の特色について確認してみましょう。

常滑市の農業・水産業1:農業の特色

常滑市は温暖な気候に恵まれ、農業に適した平地や丘陵地が広がっており、明治時代から農業が盛んにおこなわれていました。
大きな河川がないため、農業用水の不足に悩まされていましたが、昭和36年に愛知用水が通水されたことで解消されました。
また、国による大規模な土地改良事業がおこなわれ、常滑市の農業生活基盤は大きく向上します。
高度経済成長期に第二次産業や第三次産業が発展すると、農業や水産業は縮小し、農家の兼業化や脱農化が進みました。
しかし、現在でも農業は常滑市の重要な産業の1つです。
近年、常滑市の内陸部では水稲が栽培され、北部地域では畜産や花き、南部地域では野菜が中心に栽培されています。
とくにキャベツ、玉ねぎ、イチジクなどは特産品として有名です。

常滑市の農業・水産業2:水産業の特色

常滑市が位置する知多地域には、豊富な栄養と変化に富んだ環境が整っており、豊かな漁場が広がっています。
そのため、水産業も盛んにおこなわれています。
とくに盛んなのは海苔の養殖で、大規模な養殖は昭和31年から本格的に始まり、現在では一大産地に成長しました。
また、底引き網漁業や採貝漁業、刺し網漁業などもおこなわれており、アサリやワタリガニ、クルマエビ、タコなどが水揚げされています。

愛知県常滑市の産業を知ろう②工業・産業について

愛知県常滑市の産業を知ろう②工業・産業について

常滑市は古くから農業・水産業がおこなわれていましたが、工業・産業における窯業の歴史も古く、平安時代末期に始まったといわれています。
窯業は、今でも常滑市における主要な産業の1つです。
そこで、常滑市の工業・産業の大きな特徴である窯業の歴史を確認してみましょう。

常滑市の主要な工業・産業である窯業の歴史

窯業とは、土や砂を高温で処理し、陶磁器などを製造する産業のことです。
常滑市で製造されているのは、日本六古窯の一つである「常滑焼」と呼ばれる焼き物です。
この常滑焼の歴史は平安時代末期の1,100年頃にさかのぼり、知多半島の丘陵地に窯が作られました。
当時、知多半島全域で約3,000基以上の窯が存在し、主に碗や鉢、壺などが生産されていました。
常滑焼は日本各地の主要な遺跡でも発見されており、海川を利用してさまざまな地域へ運ばれ、日常的に使用されていたと考えられています。
江戸時代末期には急須が作られるようになり、煎茶の流行に伴って常滑焼は主力商品となりました。
さらに、明治時代に入ると、輸出が奨励され、新たな商品の需要が生まれます。
西洋技術も積極的に導入され、それらの技術を活かして生産された置物や洋食器は戦後の日本の復興にも寄与しました。

常滑市の主要な工業・産業である窯業が長く発展している理由

常滑市の窯業が900年以上も続いてきた理由は、いくつかの要因に基づいています。
まず、常滑市が発展した大きな理由は、適した土壌です。
知多半島で採取される土は鉄分が豊富で、低温でも焼き締まる特性があり、大型の焼き物を作るのに非常に適していました。
この土が窯業の発展を支える重要な要素となりました。
次に、丘陵地という地形も窯業の発展に寄与します。
丘陵地は窯を築くのに適した地形であり、ここに多くの窯が築かれ、焼き物の製造がおこなわれました。
地形と材料が絶妙にマッチしており、長期間にわたる窯業の継続を可能にしました。
さらに、水路と廻船が利用できたことも、常滑焼が発展した要因の一つです。
大量の焼き物を運ぶには陸上輸送よりも海上輸送が適しており、常滑市周辺は海上輸送に便利な場所に位置していました。
これにより、常滑焼は東西の広い地域に流通し、発展が続きました。
海上輸送の利便性が、常滑焼を広範囲に供給するための重要な要素となったのです。
これらの要因が重なり、常滑市の窯業は長年にわたり繁栄し、今日に至るまで続いているのです。

愛知県常滑市の産業を知ろう③商業・サービス業について

愛知県常滑市の産業を知ろう③商業・サービス業について

近年の産業では、商業・サービス業である第三次産業が多くの割合を占めています。
商業・サービス業は暮らしに深く関係する身近な産業であるため、関心が深い方も多いでしょう。
そこで、常滑市の商業・サービス業はどのような現状なのか、2つの大きなポイントからご紹介します。

常滑市における商業・サービス業の現状1:焼き物関係

常滑市の商業・サービス業に関しては、主に2つのポイントが挙げられます。
1つ目は焼き物に関するものです。
先述のとおり、常滑市は窯業が盛んで、常滑焼が有名です。
常滑駅周辺には「やきもの散歩道」や「とこなめ招き猫通り」などがあり、商業の中心地となっています。
また、常滑焼の産地である常滑市には、焼き物に関連する観光スポットが多くあります。
たとえば、常滑市北部に位置するセラモールは、国内最大級の焼き物専門のショッピングモールです。
面積5万㎡の広大な敷地内には12店舗の焼き物専門店があり、テーブルウェアや縁起物、大型陶器などが豊富に取り揃えられています。
ギャラリーを併設した店舗や陶芸体験ができる店舗もあり、焼き物ファンを中心に多くの人々で賑わっています。
魅力的な観光スポットが近くにあると、日々の生活がより豊かになるため、引っ越し先を選ぶ際には観光地も考慮すると良いでしょう。

常滑市における商業・サービス業の現状2:中部国際空港

2つ目のポイントは中部国際空港(セントレア)です。
2005年に空港が開港すると、それに伴い名鉄常滑線の増便や高速化がおこなわれ、名古屋市中心部などへのアクセスが良好になりました。
常滑市の人口は減少傾向にありましたが、空港の完成を契機に増加傾向に転じ、現在もベッドタウンとして人気があります。
また、空港の開港に伴う発展は商業・サービス業の活性化にもつながりました。
空港島にはホテルや物流倉庫、愛知県国際展示場などが建設され、近くには大規模な商業施設であるイオンモール常滑があります。
空港周辺は中部臨空都市として現在も発展を続けており、常滑市の商業・サービス業はその近辺を中心に今後も成長していくと考えられます。

まとめ

常滑市の産業は、農業・水産業における海苔の養殖や工業・産業における窯業が主流です。
商業・サービス業は、常滑焼や中部国際空港を中心に発展を続けています。
焼き物に関するスポットも充実しているので、興味のある方はぜひ常滑市を引っ越し先の候補としてご検討ください。